トマトの栄養と効能を完全ガイド|美肌や健康に効果的な食べ方・レシピも紹介
「健康や美容に良いと聞くトマト。具体的にどんな栄養があるのか、どうすれば効率よく摂れるのか気になりませんか?この記事では、トマトの代表的な栄養素リコピンから各種ビタミンまで、その働きを詳しく解説します。栄養の吸収率をぐっと高める食べ方のコツや、目的別のおすすめレシピもご紹介。明日からトマトの栄養を余すことなく、日々の健康に活かせるようになります。」
そもそもトマトってどんな野菜?驚きの栄養成分一覧
サラダやパスタ、煮込み料理など、様々な料理で活躍するトマト。その栄養価の高さから「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるほどです。まずは、基本的なカロリーや栄養成分を見ていきましょう。
【基本情報】トマトのカロリーと糖質
トマトは低カロリー・低糖質で、健康的な食生活を目指す方の強い味方です。
- トマト(中1個・約200g):約40kcal、糖質約7.4g
- ミニトマト(10個・約100g):約30kcal、糖質約5.8g
食事のかさ増しや、小腹が空いた時のおやつにもぴったりですね。
トマトの栄養成分一覧表(100gあたり)
トマトには、ビタミンやミネラル、食物繊維など、体に嬉しい栄養素がバランス良く含まれています。
栄養素 | トマト(生) | ミニトマト(生) |
---|---|---|
エネルギー | 20 kcal | 30 kcal |
水分 | 94.0 g | 92.9 g |
たんぱく質 | 0.7 g | 0.9 g |
炭水化物 | 4.7 g | 5.8 g |
食物繊維 | 1.0 g | 1.4 g |
カリウム | 210 mg | 290 mg |
β-カロテン | 540 µg | 960 µg |
リコピン | 3000 µg | 8100 µg |
ビタミンC | 15 mg | 32 mg |
葉酸 | 22 µg | 35 µg |
(出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」)
次の章では、この中でも特に注目すべき栄養素について、その働きを詳しく解説します。
トマトの栄養がすごい!注目すべき5大栄養素とその働き
トマトには多くの栄養素が含まれていますが、ここでは特に重要な5つの成分をピックアップしてご紹介します。
① リコピン:強力な抗酸化作用で健康維持をサポート&美容の味方
トマトの最も代表的な栄養素が、この赤い色素成分「リコピン」です。リコピンには、体内のサビつきの原因となる「活性酸素」の働きを抑える、非常に強力な抗酸化作用があります。
その抗酸化力は、β-カロテンの2倍以上、ビタミンEの約100倍とも言われています。
リコピンの驚くべき効果とは?健康と美容をサポートする秘密に迫る!
- 血中の悪玉コレステロールの酸化を抑え、健やかな血流の維持をサポート
- 健康的な血糖値の維持をサポート
- シミの原因となるメラニンの生成を抑える働きが期待されています
② β-カロテン:体内でビタミンAに変換!皮膚や粘膜の健康維持を助ける
β-カロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換される栄養素です。皮膚やのど、鼻の粘膜を健やかに保ち、体の防御機能をサポートします。また、暗い場所での視力を維持するためにも役立ちます。
β-カロテンの驚くべき効果とは?健康と美容をサポートする摂取法を徹底解説
③ ビタミンC:美容と日々の元気をサポート
ビタミンCは、肌のハリに欠かせないコラーゲンの生成を助ける栄養素です。また、日々のストレスや環境の変化への抵抗力をサポートする働きも期待でき、心身の健康維持に役立ちます。
④ カリウム:むくみが気になる方や、健やかな血圧維持の味方
カリウムは、体内のナトリウム(塩分)バランスを整えるミネラルです。塩分の多い食事を摂りがちな方や、デスクワーク、立ち仕事で夕方になるとむくみが気になるという方に、特におすすめの栄養素です。
⑤ 食物繊維:腸内環境を整え、お通じの改善をサポート
トマトには食物繊維が含まれており、腸内環境を整えるのに役立ちます。善玉菌のエサとなって腸の働きをサポートしたり、スムーズなお通じを助けたりします。
【比較】普通のトマト vs ミニトマト、栄養価が高いのはどっち?
食卓に彩りを添えてくれる普通のトマトとミニトマト。実は、栄養価に違いがあるのをご存知でしたか?
結論:同じ重さで比較すると、ミニトマトの方が栄養価が高い!
- リコピン:約2.7倍
- β-カロテン:約1.7倍
- ビタミンC:約2倍
- 食物繊維:約1.4倍
ミニトマトは皮の割合が多いため、皮の近くに多く含まれるリコピンやβ-カロテンなどの栄養素を効率良く摂取できます。
手軽に栄養を補給したい時やお弁当にはミニトマト、加熱調理でたっぷりと量を使いたい時は普通のトマト、というようにシーン別に使い分けるのがおすすめです。
【最重要】トマトの栄養吸収率を最大化する「賢い食べ方」4つのコツ
せっかくトマトを食べるなら、その栄養を最大限に体に摂り入れたいですよね。ここでは、栄養吸収率をぐっと高める4つの重要なポイントをご紹介します。
コツ1:「加熱」でリコピンの吸収率が2〜3倍にアップ!
生のトマトの細胞壁は硬いため、中に含まれるリコピンが体に吸収されにくい状態です。しかし、トマトを加熱するとこの細胞壁が壊れ、リコピンが体内に吸収されやすくなります。 トマトソースやスープ、炒め物など、加熱調理は非常に理にかなった食べ方なのです。
コツ2:「油」と一緒に摂ることでさらに吸収率アップ!
リコピンやβ-カロテンは、油に溶けやすい「脂溶性」の性質を持っています。そのため、オリーブオイルなどの油と一緒に摂取することで、体内への吸収率がさらに高まります。 「加熱」と「油」を組み合わせたトマト料理は、栄養を摂る上で最強のタッグと言えるでしょう。
コツ3:トマトジュースやトマト缶も賢く活用しよう
トマトジュースや水煮缶などの加工品は、製造工程で加熱・破砕されているため、生のトマトよりもリコピンが吸収されやすい状態になっています。時間がない時でも手軽に栄養を摂れるので、ストックしておくと便利です。
トマトジュースを選ぶ際は、余分な糖分や塩分を避けるため「食塩無添加」タイプを選ぶのがおすすめです。
コツ4:生のままなら「細かく刻む」だけでも効果あり
熱に弱いビタミンCなどを効率よく摂りたい場合は、生で食べるのももちろん良い選択です。その際は、細かく刻んだり、ミキサーにかけたりするだけでも細胞壁がある程度壊れ、リコピンの吸収を助けることができます。
【目的別】トマトの栄養を活かす簡単レシピ3選
トマトの栄養を活かした、美味しくて簡単なレシピを3つご紹介します。
【美容が気になる日に】トマトとアボカドの塩麹和え
抗酸化作用を持つビタミンEが豊富なアボカドとトマトの組み合わせは、美容を意識する方に最適。発酵食品の塩麹が腸内環境もサポートします。
作り方:
- トマトとアボカドを1.5cm角に切る。
- ボウルにトマト、アボカド、塩麹(小さじ1)、オリーブオイル(小さじ1)、レモン汁(少々)を入れて優しく和える。
- お好みで黒胡椒を振って完成。
【食生活を見直したい時に】鶏肉と彩り野菜のトマト煮込み
加熱調理でリコピンの吸収率を高めた一品。高タンパク・低脂質な鶏むね肉と野菜をたっぷり使えば、栄養バランスも整いやすくなります。
作り方:
- 鶏むね肉、玉ねぎ、パプリカ、ズッキーニを一口大に切る。
- 鍋にオリーブオイルとにんにくのみじん切りを入れて熱し、鶏肉を炒める。
- 野菜を加えて炒め合わせたら、トマトの水煮缶、コンソメ、ハーブ(ローリエなど)を加えて弱火で15分ほど煮込む。
- 塩胡椒で味を調えて完成。
【元気をチャージしたい時に】豚肉とトマトのさっぱり炒め
元気をサポートするビタミンB1が豊富な豚肉と、酸味で食欲を刺激するトマトの組み合わせ。夏場など、食欲が落ちやすい時にもおすすめです。
作り方:
- 豚バラ肉は食べやすい大きさに、トマトはくし形切りにする。
- フライパンにごま油を熱し、豚肉を炒める。
- 豚肉の色が変わったらトマトを加え、醤油、みりん、生姜のすりおろしで味付けをする。
- トマトが少し崩れるくらいまで炒めたら完成。
トマトの食べ過ぎは注意?1日の摂取量の目安は?
体に良いとされるトマトですが、どんな食材もバランスが大切です。
1日の摂取量の目安
厚生労働省などが推進する「健康日本21」では、1日の野菜摂取目標量を350g以上、そのうち緑黄色野菜を120g以上としています。これをトマトに換算すると、以下の量が目安となります。
- 普通のトマト:1〜2個(約200〜400g)
- ミニトマト:10〜15個程度
食べ過ぎによる影響
トマトは体を冷やす性質があると言われているため、一度に大量に食べるとお腹が緩くなることがあります。また、カリウムを多く含むため、腎臓に疾患がある方は摂取量について主治医にご相談ください。健康な方が常識の範囲内で楽しむ分には、全く問題ありません。
トマトの食べすぎは危険?健康効果と知っておきたい5つのリスク、カロリーも解説
よくある質問(FAQセクション)
- トマトは朝と夜、いつ食べるのが一番効果的ですか?
- リコピンの吸収率は時間帯によっても異なり、一般的には活動量が多くなる朝や昼に摂取する方が効率的だと言われています。しかし、最も大切なのは継続することなので、ご自身のライフスタイルに合わせて取り入れやすい時間帯で食べるのが良いでしょう。
- トマトの皮や種は食べても大丈夫ですか?
- はい、全く問題ありません。特に皮には食物繊維やリコピンなどの栄養が豊富に含まれているため、よく洗ってぜひ一緒に食べることをおすすめします。
- 赤いトマトと黄色いトマト、栄養に違いはありますか?
- 赤いトマトはリコピンが豊富なのが最大の特徴です。一方、黄色やオレンジ色のトマトはリコピンの含有量は少ないですが、β-カロテンが豊富に含まれています。目的に合わせて選んでみるのも楽しいですね。
まとめ
最後に、この記事の重要なポイントを振り返りましょう。
- トマトにはリコピンやβ-カロテン、ビタミンC、カリウムなど健康と美容に嬉しい栄養が豊富。
- 同じ重さならミニトマトの方が多くの栄養素を摂取できる。
- リコピンの吸収率を最大化するには「加熱」と「油」が最強の組み合わせ。
- 生のまま食べるなら細かく刻む、加工品(トマトジュースや缶詰)も賢く活用するのがおすすめ。
- 1日の目安は普通サイズなら1〜2個、バランスの良い食事を心がけましょう。
トマトは、食べ方一つでその栄養効果が大きく変わる、非常に奥が深い野菜です。ぜひ、今日から「加熱+油」などの工夫を取り入れて、トマトの素晴らしい栄養をあなたの健康と美容に役立ててください。
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