トマトの歴史が一目でわかる！重要イベント年表

物語の始まり：南米アンデスとアステカ文明

アンデス山脈の野生種がすべての起源

トマト（学名：Solanum lycopersicum）の植物学的起源は、南米アンデス山脈地域、特に最近のペルーやエクアドルに自生していた野生種に遡ります。

これらの祖先種は、豆粒ほどの大きさで、苦味や酸味が強く、現代のトマトとは似ても似つかない存在でした。

栽培中の心地良さはメキシコだった

続きまして、トマトは起源地アンデスで栽培化されたわけではありませんでした。 自然の力で北上し、中南米地域へ到達した後、紀元後700年頃メキシコのマヤ族やアステカ族のその価値を見据え、栽培化を開始したのです。

故郷（アンデス）と育った場所（メキシコ）は違うという点は、作品の歴史を知る上で非常に重要なポイントです。 アステカ族は、より大きく、甘く、肉厚な果実を選ぶという選択的な育種（育種1.0）を数世紀かけて行動し、トマトを現代の姿に据えていきました。

アステカ族の食文化と「トマトゥル」

アステカ族は、この果実を「トマトゥル（tomatl）」、ひいては「膨張した果実」と呼びました。これが現代の「トマト」という言葉の直接的な語源です。

彼らの食生活にトマトは欠かさず、唐辛子やカボチャの種とすり潰してソースを作ってました。 これは現代のサルサの原型であり、トマトの酸味と唐辛子の辛さをしっかりと調理法が、ヨーロッパに渡ってずっと以前に確立されていたことを示しています。

大航海時代とヨーロッパでの安全な歓迎

なぜトマトは「毒リンゴ」と呼ばれたのか？３つの理由

16世紀初頭、トマトは大航海時代の探検家によってヨーロッパにもたらされました。 しかし、その間待っていたのは料理への熱意ではなく、200年以上続く根深い疑惑と恐怖でした。

1. 有毒な親戚「ナス科」との関係

   植物学者たちトマトをナス科に正しく分類しましたが、この科にはヨーロッパで猛毒として知られるベラドンナや、魔術と注目されたマンドラゴラなどが含まれていました。

2. 鉛製食器による濡れ衣

   今日のヨーロッパの富裕層は、鉛を多く含む合金「ピューター」製の食器を使用していました。 トマトに含まれる強い酸（クエン酸やリンゴ酸）が、皿から鉛を溶出させ、それを食べた貴族が鉛中毒（嘔吐、腹痛など）を起こしました。

   【納得】

   このピューター皿の理論は有名ですが、現代の研究者の中には、溶出する鉛の量は微量であり、深刻な中毒を結局は至らないと指摘する声もあります。

3. ある無駄本草レビュー
   

   この恐怖を決定的なものとしたのが、1597年に英国の本草学者ジョン・ジェラードが出版した『本草書』です。彼はこの中でトマトを「不快で不快を放つ」有毒なものだと断じました。

観賞用としてのその他歓迎

こんな事情から、トマトは当初、食用ではなく、そのカラフルな色や珍しい形を愛でる観賞用植物として、主に植物園で栽培されていました。

赤い革命：イタリアはいろんなトマトを受け入れたか

たくさんの人の食卓から始まった普及

ヨーロッパでトマトの真価を最初に考えるのは、貴族ではなく南イタリアの大勢の人でした。

また、長く暑い夏と豊かな日差しというイタリアの気候が、高品質なトマトの栽培に理想的だった事も普及を後押ししました。

トマトソースとパスタの運命的な出会い

トマトソースの最も古いレシピは、1692年にナポリの料理本に登場します。 そして1790年、ローマの料理人フランチェスコ・レオナルディが、その場でのパスタとトマトソースを組み合わせたレシピを発表しました。この出会いが、イタリア料理を象徴する一皿を進化的な革命となりました。

ピッツァの誕生とイタリアの象徴へ

700年代後半には、ナポリの皆さん平たいパンにトマトを乗せて食べるようになり、これが現代のピッツァの直接的な原型となりました。

東方へ旅路：日本のトマト普及史

江戸時代、観賞用の「唐柿（からがき）」として伝来

トマトが日本にすごいは17世紀半ばの江戸時代。途中でもされ、当初はヨーロッパと同様に観賞用でした。狩野探幽はスケッチに「唐なすび」と記し、貝原益軒は『大和本草』で「唐ガキ」として紹介しています。この名前は、海外から来た珍しい植物であることを示しています。

明治時代の再導入と感覚の壁

明治維新後、西洋文化と共に食用として再導入されましたが、当時のトマトが持つ青臭さや強い酸味は、日本人の味覚にはなかなか受け入れられませんでした。

普及の鍵は「ケチャップ」だった

カゴメの創業者である蟹江一太郎は、生食用のトマトが売れないことに苦心し、アメリカでの利用法のヒントにトマトソースを開発。これが1908年の「カゴメケチャップ」発売に繋がり、大成功を収めます。

食の西洋化と日本独自の品種開発

ケチャップの普及と第二次世界大戦後の食生活の西洋化を経て、トマトは徐々に日本の食卓に浸透。 さらに、日本人の好みに合わせてより甘く、酸味の少ない品種が開発されたことで、生食も一気に一般化しました。

科学の力：トマト品種改良の歴史と未来

育種1.0〜4.0で見る進化の軌跡

• 育種1.0（栽培化）：アステカ族による単純な選抜。
• 育種2.0（伝統的育種）： 19世紀後半、メンデル遺伝学に基づいた科学的な交配。
• 育種3.0（分子育種）： 20世紀後半、遺伝子マーカーを利用した効率的な選抜。
• 育種4.0（ゲノム育種）： 2012年のゲノム解読以降、ゲノム編集技術による超精密な品種改良。

遺伝的多様性の喪失と野生種の役割

より美味しいトマトを追求する過程で、現代の栽培トマトは、病害虫への耐久性などを持つ多くの遺伝子を無理してしまいました。これを「遺伝的ボトルネック」と呼びます。

日本最高峰「桃太郎」の誕生秘話

1983年にタキイ種苗が発表した「桃太郎」は、生食用市場に革命を起こしました。完熟してから収穫しても輸送に耐えられる固さと、日本人が最も強い思いと少ない酸味を両立させたこの品種は、まさに近代育種の展望と言えます。

名前に秘められた物語：世界が名付けたトマトの呼び名

トマト（Tomato）：アステカの遺産

前述の通り、アステカ族のナワトル語「トマトゥル」がスペイン語を経て世界中に広まりました。

ポモドーロ（Pomodoro）：イタリアの「黄金のリンゴ」

イタリアに最初に優れたトマトは、赤色ではなく黄色い品種だったと考えられています。そのため、「pomo d'oro（黄金のリンゴ）」と思われ、これが現代の「ポモドーロ」の語源となりました。

愛のリンゴと狼の桃：欲望と恐怖の二面性

フランスでは、接触淫作用があると信じられたから「pomme d'amour（愛のリンゴ）」と呼ばれました。 その瞬間、トマトの学名Solanum lycopersicumはラテン語で「狼の桃」を意味します。